12月20日にデビュー曲『バンドワゴン』を発売したラストアイドル 。
彼女達はオーディション番組での過酷なバトルに勝ち抜き夢への切符を手にした究極の7人です。
今回はプロデューサー秋元康の戦略や番組での名勝負などを私なりのアイドル論を交えながら読み解き、ラストアイドルの面白さの理由を語りたいと思います。
皆さん、こんにちは ライターの美音です♪
今回は8月からの戦いを終え遂にデビューの日を迎えたラストアイドルについての記事を書かせて頂きます_φ(・_・
今回の記事はラストアイドルのメンバーやグループカラーについての紹介ということでなく、ラストアイドルという番組のシステムの面白さやプロデューサーの戦略など少し違った観点から私なりのアイドル論を交えてラストアイドルの面白さを語ります!
アイドル論というにはまだまだ取るに足らない勉強途中の状態ですが、大学の授業でも最初の記事で紹介したようなアイドルに関する文献から得た知識を参考にアイドルについてのプレゼンをしているので、その経験を活かして、
「なぜファンはラストアイドルに夢中になるのか」その理由を読み解いていきたいと思います。
AKB48や欅坂46など数々のトップアイドル生み出した秋元康が総合プロデュースを手掛けています。
オーディションを勝ち抜き、ラストアイドルのメンバーとして番組に登場した彼女達。
しかし、毎週放送される番組の中で行われるメンバー入れ替えバトルに勝ち残らなければ12月にデビューできないという過酷な試練を課せられたのです。
デビュー後には、冠レギュラー番組、メジャーデビュー、週刊誌の表紙など華々しい活躍の場が約束されています。
たった7つの椅子を巡り、挑戦者と暫定メンバーの熱く残酷なバトルが毎週繰り広げられました。
ラストアイドルの特徴の1つがプロアマ問わず兼任可能ということ。
アイドル戦国時代とも称され群雄割拠を呈している現在、まだブレイクしていないが、トップアイドルになるための素質を持った子は沢山いるでしょう。
地上波のテレビに映ることで知名度を上げて、現在活動中のグループの人気に繋げることも出来るし、ラストアイドルにとっても玄人を迎え入れることは、未経験で右も左も分からないメンバーに良い刺激を与え、グループの質を高めることにも繋げられる…
まさに双方にとってメリットだらけの好条件です( *’ω’* )
ラストアイドルでは20回の放送で計22回バトルが行われました。
アイドルという夢を追い求める少女達の熱い思いぶつかり合いは毎回心にグっとくるものがありました。
今回はその中でもラストアイドルを語る上で欠かせない名勝負の2つをピックアップして紹介させて頂きます٩( ‘ω’ )و
ラストアイドル番組開始時から絶対的センター、大黒柱としてグループの顔であった間島和奏。
出典 ラストアイドル公式サイト
実は彼女、2013年に開催されたAKB48グループドラフト会議で指名候補者となりながらも指名漏れし、あと一歩のところで夢を逃した悔しい過去を持っています。
あれから4年…夢を追い続けセンターに立った彼女は誰よりもアイドルへという夢への思いが強かったと思います。
しかし、そんな彼女を破りセンターポジションを勝ち取った新センター阿部菜々実。
出典 ラストアイドル公式サイト
正統派美少女でスラっと華奢な雰囲気さえ醸し出していますが、パフォーマンスは圧巻の一言。
力強ささえ感じさせるパフォーマンスで審査員の大森靖子から、
「歌への肉体と心の込め方を細部まで一音一音はめていた」と評価を受けて見事バトルに勝利したのです。
ラストアイドル初期メンバーでメンバー1正統派との呼び名も高い立ち位置5番長月翠。
出典 ラストアイドル公式サイト
そんな彼女に戦いを挑んだのは沖縄からやってきた個性派歌姫蒲原令奈。
出典 ラストアイドル公式サイト
一見真逆とも言えるこの2人の対決は蒲原が勝ち抜き、長月はその立ち位置5番というポジションを去ることになったのです。
ジャッジを下す審査員に指名されたのは吉田豪。彼以外の審査員は長月を勝者に選んでおり、番組でもマーティ・フリードマンと倉田真由美が判定に疑問を投げかけるシーンが放送されました。
番組放送後からSNSでも視聴者からジャッジを下した吉田のもとに批判が殺到。炎上とも言いかねない事態に発展したのです。
暫定メンバーと挑戦者どちらが優れているとか主観的な好みだったり、グループ内の他のメンバーとのバランスもあるので1人を選べというのはそもそも難しい話です。それを前提として私の感想は、
と正直審査結果に不満タラタラでした。(蒲原さん吉田さんごめんなさい 長月ちゃんが好きなタイプだったもので)
しかし、主観は捨てて客観的に見てみるとあの審査結果は番組的には成功したといえるのではないのでしょうか。
勿論吉田さんは視聴者や他の審査員から判定に文句をつけられ、あわやタレント生命の危機か!?というくらい大変な時間を過ごす羽目になったと思いますが寧ろ彼には感謝すべきではないかと感じます。
もし暫定メンバーが勝利していれば平穏な雰囲気で終わりここまで大騒ぎには発展しませんでしたが、それは面白くない。
こういう番狂わせな審査結果が起こることこそラストアイドルの面白さであり醍醐味。挑戦者、暫定メンバー双方への注目度は他のバトルより注目され知名度も上がったかもしれません。
そもそもラストアイドルの審査方法については合議制にすべきとの意見もあったようですがプロデューサー秋元康の
「合議制では指原莉乃は生まれない」という狙いであえてあのようなシステムを選んだわけですから。それを体現したのがあのバトルでした。
結果的に蒲原が辞退したため、蒲原に敗れた元暫定メンバー長月翠と清原梨央で敗者復活バトルを行い長月が勝利。
本人は夢を逃し辛い思いをした経験でしたが、成長という意味で大切な経験だし、1度敗れステージから去ったアイドルが強くなって再び舞い戻る。こんな夢のようなストーリーガチでなきゃ生まれないですよね。
そもそもアイドルというのはAKB48を1つの区切りにメディアアイドルとライブアイドルの2つに分類することができます。
これは『僕たちとアイドルの時代』で著者であるさやわか氏が述べたものです。
AKB以前のアイドルはテレビや雑誌など所謂メディアで活躍する雲の上の存在でした。
「idol=偶像」という言葉の通り手に届かない存在だったのです。
しかし、「会いに行けるアイドル」をコンセプトに活動を始めたAKB48。
彼女達はそれまでのアイドルの定義を大きく変え、握手会や劇場公演などを通して接触することができる身近な存在となりました。
他のアイドル達も握手会やチェキなどファンとの交流に重きを置くパターンを模倣し、メディアに出なくてもライブや握手会、リリースイベントなどで活動するライブアイドルというシステムに変化したのです。
今では当たり前のように使われている「現場」という言葉もライブアイドルの普及とともに使われているようになった言葉です。
さて、そんなライブアイドル全盛期でアイドル戦国時代とも称される今日…
そんな中でラストアイドルというプロジェクトはアイドル戦国時代を勝ち抜くアイドルグループを生み出しました。
①ファンが応援したくなる残酷なシステム
②神曲『バンドワゴン』
③セカンドユニットの可能性
アイドルって何だろう?って不毛な話を授業で先生や同級生と話したことがあります。
歌なら歌手の方が上手いし、ダンスならダンサーの方が上手い… アイドルって何?
アイドルとは未完成な部分や成長過程をファンが見守りながら応援されながら成長していくものだと思います。
『アイドルになりたい!』の著者である中森明夫はアイドルとは好きになってもらう仕事だと述べていました。
ファンは好きになった推しメンを応援し、成長過程を楽しむものだと考えればラストアイドルというシステムはそれを上手く活用しているといえるのではないでしょうか?
毎週のバトルで推しメンが勝ち残れるのか、12月のデビューまで過酷な状況でもがいているメンバーの姿を視聴者は思わず応援してしまうと思います。アイドルとは一見華やかで楽しい職業に見えますが、裏での地道なレッスンや練習など努力が不可欠なものです。
メディアアイドル時代はこのような裏側を見せることはほとんどありませんでしたが、おニャン子クラブを1つのきっかけとし、アイドルの裏側を見せることは段々自然なことになっていきました。AKB48のドキュメンタリー映画が公開されることに違和感を感じる人は恐らくいないでしょう。
ラストアイドルのデビューシングル 『バンドワゴン』。
この曲は耳に残りやすいキャッチーなメロディラインと彼女達の4か月間を綴ったような歌詞が特徴的な楽曲です。
激しいバトルを勝ち抜いた彼女達が歌うからこそ生きる歌詞は、胸にグっとくるものがあります。
アイドルがステージに立つまでの努力を歌った楽曲はファンから人気を集める傾向があると思いますが、バンドワゴンはアイドル以外でも共感できる部分も多く存在しますし、あの番組を見ていた視聴者だからこそ感じる部分も存在すると思います。
フルサイズをテレビ初披露した際にセカンドユニットのメンバーも見守る中でのパフォーマンスは感慨深いものがありました。
メンバーはそれぞれどんなことを思いながらバンドワゴンを歌っていたのでしょうか。
メンバー入れ替えバトルに惜しくも敗れてしまったメンバーで結成された4つのセカンドユニット。
それぞれの楽曲はカップリング曲としてバンドワゴンに収録されています。
当初の予定ではセカンドユニットは無かったものの、あまりにも残酷すぎるため急遽救済措置を作ったんだとか。
デビューまでの道のりを映し出すがそれが確約されていないというのはAKBグループドラフト会議と同じシステムかと思いましたが救済措置があるため全く異なる印象を受けました。
アイドルの裏側を見せることは必要なことかもしれませんが、折角夢を持った女の子達がアイドルに憧れを抱けなくなってしまうのは悲しいことです。
ドラフト会議、特に1回目は指名漏れが少なかったため見ていて心が痛みましたが、そのマイナス面を上手くプラスに変えてライブアイドルファミリーを応援しようと箱推しになれる救済策をやってくれて本当に良かったです。
今回はメンバーの紹介やユニットカラーには細かく触れずラストアイドルというプロジェクトの面白さについて私なりに読み解いてみました。
実際に記事を書き出してみると、自分の考えや思いを伝える文章を書くことの難しさを痛感しました。
思い返せば自分のアイドル論や考察を発信したいと思ったのがAMADOLでライターをやりたいと思った1番の理由だったので、少し難しい観点にあえて挑戦できたのは嬉しいです。これからも多様な視点や内容の記事を発信できるように頑張りたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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